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埼玉県 狭山市の歯科医院 ミナミ歯科クリニック
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トピックス

『院長先生から舌癒着症についてのお話』

『舌癒着症ってなんだろう?』

『舌小短縮症と舌癒着症の違いは?』

『なんで舌癒着症だとおっぱいが飲みづらいんだろう?』

『舌癒着症の最大の問題点とは?』

『舌癒着症の子供の症状はどんな感じ?』

『舌癒着症の手術で改善されること』

『舌癒着症は大人になっても影響するの?』

『術後のあれこれ』

『写真で見る舌癒着症』



口呼吸を考える会作成『舌癒着症ガイド』を参考にさせていただきました。

情報が広くいきわたるようにという、会の皆さまのご好意で載せさせていただきました。


※「舌と呼吸を考える会」は、情報がなく困っている人のために、子どもの手術を体験した親を中心に勉強会を開くなどして、サポートしあっている自主グループです。 ボランティアで運営されています。


院長先生から舌癒着症についてのお話

まず始めに舌小帯の癒着についてお話したいと思います。

舌癒着症の手術は、あくまで呼吸改善が第一目的で、
母乳を飲めるようにするためでも、育児を楽にするためでもありません。
お子さん自身の呼吸を楽にするためなのです。

呼吸が楽になった結果、母乳がスムーズに飲めるようになったり、呼吸の苦しさから顕れていた育児に関するトラブルが減ったりするようになるわけです。

ただし、これは歯列矯正と同じように舌の位置矯正ですので、処置しないと死に至るとかそういうのではありませんし、絶対に処置しないといけない、というものでも決してありません。
一般に歯列がガタガタだと肩こりがひどい、噛み合わせの悪さから虫歯になりやすいなどいわれますが、だからといって矯正するかどうかは本人次第です。
ですが、そうならないようにお母さんが乳歯の間に歯科医院に連れて行って予防してあげる、それと同じだと思います。

ましてや呼吸は一生の問題ですし、今、母乳育児に支障が顕れているのは、赤ちゃんが苦しいと訴えているサインなのでは、と思います。
なにより、舌のせいとは知らずにしんどい育児をされていて悩んでいらっしゃるお母さんがいるとしたら、こういう舌の矯正があるのだと情報提供できないか、と思っています。
赤ちゃんの呼吸について、という観点で以下ご理解いただけたら、と切望いたします。

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舌癒着症ってなんだろう?

「舌癒着症《ぜつゆちゃくしょう》」・・・・初めて聞く方も多いと思います。

字を見ると、「舌」が「癒着」している「症状」のことですね。
舌がくっついていると、一体何の不都合があるのでしょうか。
話が出来たり、食べ物を食べられたりすれば、別に何にも不都合はないように思えます。
多少、おっぱいが飲みにくくても、その子の持って生まれたものなのだから、そのままにしておいた方がいいのでしょうか。

★「舌癒着症」とは
舌癒着症とは、先天性の舌と喉頭蓋《こうとうがい》、喉頭《こうとう》の異常で、常染色体の優性遺伝で、これを持っている人の方が多いのです。(ということは、あなたやお子さんが舌癒着症であっても特別に異常であるわけではありませんね。それでも特に男性に多く症状が見られるそうです。)

舌小帯《ぜつしょうたい》手術の歴史は古く、古代中国(BC1050)では、すでに行われていました。
もっともこの手術は、言語障害の治療として行われていたのです。
昔、赤ちゃんがおっぱいを飲めないで死ぬ率が高く、フランスの外科医が舌小帯から頤舌筋《いぜつきん》まで剥離《はくり》すると赤ちゃんの状態が良くなることを見つけました。
それ以来、ヨーロッパでは生まれた赤ちゃん全員に、洗礼日に助産婦が舌小帯と頤舌筋を切除していました。
しかし、今世紀になり、ある医者がこれをやるべきでないと言いだし、最近の小児科の本にはこの疾患は取り上げられておらず、しかも「この手術をするのは、間違いである」と書かれています。
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舌小短縮症と舌癒着症の違いは?

この疾患は、これまで舌小帯の異常としてのみ考えられていました。
舌小帯異常、舌小帯単縮症、つれ舌などと呼ばれていますが、正しくは「先天性舌癒着喉頭蓋咽頭偏位症《せんてんせいぜつゆちゃくこうとうがいいんとうへんいしょう》」といいます。
これではあまりに長いので、舌癒着症と言います。

舌小帯は、舌の裏側のすじのことです。舌癒着症とは、舌小帯が舌の先についているかどうかではなく、舌が前にあるかどうかが問題なのです。
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なんで舌癒着症だとおっぱいが飲みづらいんだろう?

おっぱいの正常な飲み方は、舌を突き出して乳首を包み、乳輪部を咬んで反射を起こさせて、口腔内にあふれ出てきた乳をそしゃく咀嚼《そしゃく》して飲みます。
このとき(舌を前に突き出すと)喉頭蓋・喉頭は上に持ち上がり鼻腔とつながり、飲みながら呼吸が出来ます。

舌癒着症の赤ちゃんは、舌全体が前についていて、喉頭蓋・喉頭・気管が前方に引っぱられて傾いています。
このため、おっぱいを飲もうとして舌を出すと、鼻と喉頭がずれて息が出来なくなるのです。
おっぱいが飲めないのは、舌の動かし方が悪いのではなく、呼吸が苦しくて飲めないのです。
それでも赤ちゃんは飲もうとして、舌を出す代わりに乳首を口の中に深く吸い込み、舌で無理やりはさみこんで乳首を吸います。
そのために乳輪を歪めたり潰したりするので、乳首にすり傷をつけるのです。
また、舌体の吸運動で舌の上が肥厚して白くザラザラしてきます。
これで、ますます乳頭を傷つけるようになります。
吸う運動ばかりなので、頬の筋肉が肥厚して頬が腫れて見えます。
咬む動作をしないため、咬筋《こうきん》を使うチャンスが減り顎の発育が悪くなります。このため、こめかみがへこんできます。

舌癒着症の赤ちゃんは、おっぱいを飲みながら寝てしまうことが多く見られますが、これには2種類の原因があり、飲む行為に体力をつかって疲れ果てて眠ってしまうのと、呼吸の状態が悪くておっぱいをくわえていないと眠れないのとがあります。
指しゃぶりも舌癒着症の赤ちゃんに多い現象です。
指をしゃぶったり、おっぱいを吸っていないと眠れない子供は、舌の上になにかを乗せることで呼吸が安定するのです。
どうやら、指しゃぶりは、無呼吸による低酸素状態を回避するために始まるようです。(指を外すと無呼吸が出てきます。)

また、お腹がとても膨れている赤ちゃんは、低酸素状態で腸の動きが悪い上、おっぱいを飲むときに空気を一緒に飲んでいます。
ですから、大人顔負けのおならをすることもあります。
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舌癒着症の最大の問題点とは?

舌癒着症の赤ちゃんの動脈血中酸素飽和度は、普通の人よりも時折、下がってしまいます。
これは、血液中に酸素がどのくらいとりこまれているかという測定で、基準値より下がっているということで、低酸素状態であるということです。
おっぱいを飲んでいる最中、気管に母乳が入りやすいため、むせることが多い赤ちゃんは、酸素飽和度が急に下がってしまいます。
すると、最後まで飲みきれずにやめてしまったりします。
吸啜障害《きゅうてつしょうがい》のもう一つの症状に、脈の上昇があります。
おっぱいを飲むことが体力的に負担となるため、運動していることと同じことになり、脈が上がってしまい、疲れてやめる、脈が下がるとまた飲みはじめて・・・・これを繰り返して、最後には疲れ果てて眠ってしまいます。
このとき、過呼吸状態になり(血中に不足した酸素を取り込むため)、全速力で走っているのと同じ状態になっています。
これでは、おっぱいを飲むのも大仕事です。

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舌癒着症の子供の症状はどんな感じ?

喉頭が持ち上がっている状態は、普段から呼吸する際に抵抗があります。
舌癒着症は、呼吸との関係が一番深く、舌が下顎のすぐ内側から始まっているような人は、睡眠中にいびきが中断するという「睡眠時無呼吸症候群」があります。
無呼吸発作は大人も子供も同じで、子供により多く見られます。
ベッドに寝かせると、すぐ目を覚まして泣く子供も、これが考えられます。

喉頭蓋と喉頭が持ち上がっていると、声門が狭くなりますので、無理に声を出そうとするとポリープが出来てしまいます。

また、低酸素から血行が悪くなるため、皮膚が青白く、大理石様皮膚といって、毛細血管が編目模様に浮き上がって見えます。

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舌癒着症の手術で改善されること

改善されることは、人にもよりますが、呼吸が楽になり酸素が多くとりこめるようになるため、酸素不足からくる手足の冷えなどの症状が良くなります。
血液のめぐりが良くなるため、肩こり、腰痛、胃腸の調子などが改善されます。
子供によっては、アトピーの症状が改善される場合もあります。
深い呼吸ができるようになるので、睡眠が深くなり精神が安定します。
おっぱいの飲み方では、深くくわえこんで、強く吸うことができるようになるため、無理な飲み方でなくなり、お母さんの乳頭や乳房のトラブルが減ります。

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舌癒着症は大人になっても影響するの?

低酸素状態では、大人になってからも様々な障害が出てきます。
舌癒着症の最大の問題のところで挙げましたが、血液中に酸素を取り込む量が少なく、また、深い呼吸ができないので疲れやすく、肩こりや腰痛に悩まされたりします。
睡眠が浅く、眠っても疲れがとれないなどの症状もあります。

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術後のあれこれ

この症状の改善には、舌小帯と頤舌筋を切除するという手術が行われます。
しかし、即日的にすぐ、全てが良い方向に向かうのではありません。
1ヶ月〜2ヶ月、あるいは1年からそれ以上になって、手術をして良かった、と思える人もいるそうです。
また、実際に手術をされた方の中でも、術後の変化を自分では特に自覚できない人もいますし、1才前後の赤ちゃんの中には舌の位置が変わったことによる違和感から、卒乳してしまうこともあります。(月齢の小さい赤ちゃんほど、飲みたい一心から違和感なくスムーズに飲むようです。)
しかし、中には見違えるように、顔色が良くなったり、良く寝てくれるようになったり、大人の場合、腰痛や肩こりが嘘のようになくなったりする人もいます。
また女性の場合、出産時に酸素が効率よく取り込めることで、お産が楽になったりもするようです。

たいていのお母さんは赤ちゃんの母乳の飲み方や自らの乳房のトラブルから、この「舌癒着症」を知ることになりますので、赤ちゃんが母乳を劇的に飲めるようになることを期待してしまいますが、この手術は母乳を飲めるようにするためではなく、あくまでも呼吸の改善を目的にするものであることを忘れないで下さい。
そして、お子さんの手術の場合、お母さんのためでも、誰のためでもなく、本人のためだということをよく踏まえて手術に臨んでください。

優性遺伝ですから、ほとんどの人が症状の軽い、重いの差はあれども持っていることです。
手術は、必ずしも全員に必要というものでもありませんし、手術しなかったからといって、まともに成長しないわけでは決してありません。
手術はあくまでも、一つの選択で、これがすべてではありません。
ただ、呼吸は一生の問題です。
楽に呼吸できることに越したことはありませんし、他の人の呼吸器官と取り替えてみることもできませんから、自分が他の人より楽な呼吸をしているのか、しんどい思いをしているのかは分かりません。
お子さんの場合はなおさらです。
お子さんが苦しい中で頑張って息をしているかもしれないことは、想像はできても分かってあげられません。
とはいえ、成長とともに、肺活量を増やしたりしながら、適応していくからか、症状は軽くなります。
一番しんどいのは、もしかしたら生まれてすぐなのではないかと思います。
母乳が飲めない、眠れなくて泣く、お母さんの乳頭・乳房にトラブルが出てくる、というのは、しゃべれない赤ちゃんからのSOSなのだと思います。

そして、お子さんの手術をされる方は、お子さんの手術の前に、よく手術の内容や、どうして手術するのかをどんなに小さなお子さんでも説明してあげてください。
本人が納得した上での手術と、なにも知らされないでいきなり手術に連れていかれるのとでは、結果にも違いが出てくるようです。
また、両親が納得した上で手術される方が、お子さんの精神面を安定させる上でも重要だと思います。
特にお母さんが不安をかかえたままだと、たとえ赤ちゃんでもその不安が移ってしまって、いつまでも術後落ち着かなかったり、怒って泣き続ける傾向があるようです。
特にお母さんが不安をかかえたままだと、たとえ赤ちゃんでもその不安が移ってしまって、いつまでも術後落ち着かなかったり、怒って泣き続ける傾向があるようです。

また、術後、すぐは赤ちゃんの場合、口の中の違和感で泣いたりもしますが、「痛いのでは?」という思いから、おっぱいを含ませないでいると、舌を動かさないことで、傷口がますます腫れてしまい、余計におっぱいが飲みづらくなってしまいます。
月齢が小さいほど、赤ちゃんの痛覚はそれほど敏感ではないようですので、舌を腫らさないため、と自分に言い聞かせながら、何度もおっぱいを含ませることをおすすめします。舌をよく動かすことで、血行がよくなり、舌も腫れずに、赤ちゃんも舌の新しい感覚に慣れていくと思います。

違和感から泣いたりぐずったりするのは、個人差もありますがたいてい一晩のことで、翌日からはほぼ元の生活に戻ることと思いますので、手術を考えておられる方は、それほど心配なさらずに気を楽にもって臨まれることをおすすめします。

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写真で見る舌癒着症

舌癒着症画像   図1.
生後3ヵ月、哺乳時に音がする。
おならが多い等の主訴があった。
舌小帯が舌尖近くまで付着しており、舌の動きに制限があると思われる。
     
舌癒着症画像   図2.
舌小帯切除直後、無麻酔下で曲肉鋏で小帯を切り、無縫合で終わるという簡単な術式。
術直後から舌は制限がとけ、挙上しやすくなる。
痛みはないようで、直後から授乳も可能。
     
舌癒着症画像   図3.
切除後1ヶ月、術前より明らかに舌を持ち上げやすい。
授乳時のチョッチョッという音がなくなった。
おならやゲップが減った等の変化があった。
舌の動きがよくなり空気を一緒に飲み込まなくなったようだ。
     
舌癒着症画像   図4.
母親の舌小帯
形態がよく似ている。
舌の動きも将来似ると考えられ、親に舌癖がある場合は将来のリスクを減らすため積極的に舌小帯を切除してもよいと考えられる。
     
舌癒着症画像   図5. 図6.
小帯は薄く長いが、舌尖付近まで付着しているタイプ。
小帯は比較的伸びやすいが舌尖付近まで付着しているため舌の動きが制限されている。
舌小帯切除持の出血は少なく、顔面は縦長に伸びる。
   
舌癒着症画像  
     
舌癒着症画像   図7. 図8.
小帯が太く短いタイプ。
小帯が舌尖まで付着していないが、太くて固く短いため舌の動きが制限される。
切除時の出血が多い傾向があり、切除後の顔面は菱形になる。
いずれのタイプでも切除後は舌の制限がなくなり、挙上させやすくなる。
   
舌癒着症画像  
   
河井 聡 歯科医展望 Vol・103 2004−4

歯科の立場からこの舌小帯に関して考えると以下のことが影響しているようです。
舌小帯の付着異常に関しては、舌の動きが制限されることにより、乳歯列ならびに永久歯列の歯列異常にも関わっていると推測されます。
当院でも成長期における矯正を行っていますが、舌や口腔周囲筋の発達不良の影響により将来的に歯並びや顔貌にも大きく関わってくると推測されます。
あくまでも呼吸の改善を目的としており、より良いお子さんの今後の人生のために我々も処置を行っております。
ご不明な点やご質問等ございましたら当院までお気軽にご相談ください。
なお当院においては、原則生後6ヶ月未満のお子さんを対象に処置しております。
それ以降のお子さんに関してましては、関連病院へ紹介させていただいております。
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